4/26 CONTROL

  • 『女囚セブン』#01

 現代日本における監獄表象について考える機会だ! と思ったこともあって視聴してみたが、結論からいうと、あまり好意的にはみれない。部分的には賛同できなくもない試みは少なくないが、おそらくこのドラマ全体の脚本の流れがそうとうイマイチ。

「罪は、犯す奴が悪いんやない。犯させる奴が、悪いんどす」

 というセリフを言わされている主人公の受刑者が、実は冤罪だったという設定なのがどこまでも残念。罪を犯した「本当の悪人」がこのセリフを言うようには書くことができなかったわけだから。

 おそらく今後の展開は、しばらく各回でそれぞれの女囚の掘り下げをやって、彼女らの罪を社会化・外在化していくわけだけれども、各回を通貫する大きな物語が、主人公神渡の冤罪を晴らしてハッピーエンド、という予告されているこの筋がまた気に食わない。囚人反乱起こして刑務官数人ブッ殺したけど鎮圧されて待遇の「よかった」刑務所が吹っ飛んでバッドエンドとか、たとえばそういう微温的でない方向にはいかないだろうし。

 

 あとこっち側で勝手にトリンドルにダーティなイメージついてるのが笑える。

  • 進学懇談会

 連絡の文面では「進学懇談会」になってるのでそれに則るけれども、例の会の名前って「進路懇談会」じゃなかったっけ? 大人組のやつだけが「進路」だったっけ? いずれにせよ、事実上は大学進学についての話が大勢を占めるとしても、「進学」前提のネーミングはよくないよねぇ。

 要するに母校の高校生の前で大学ってのはこんなところですよみたいな話をする会がありまして、なりゆきで自分は過去二回お話しさせていただいていたのですが、そりゃ自分がガチで話をするわけですからそれなりに有意義な形にはなっているとは思いますけど、実は毎回終わるたびに内心ものすごく苛立っているんです。今回はその話です。

 

 そりゃ、高校生から

 この書き出しで延々悪口を書くつもりだったのですが、過去の感想アンケートを読み返していたらそういう気分が失せてしまった。

 簡単にいうと、高校生の彼らの「ゲーム」の攻略法の話がくだらないのと同様に、大学生・研究者の「ゲーム」の攻略法の話ってとことんくだらないと思うんですよ。たしかに人文学を志すことを考えている高校生に、この業界の経済的窮状をあらかじめ伝えておく必要があるのは間違いのないことだけれども、ああいう人文系研究者の自虐的なノリには自分は反吐が出るんです。そういった社会問題そのものを射程にできるような次元でわれわれは研究をやっているんだから、もっと研究や関心の内容について赤裸々に話したほうがおもしろいでしょうと。というかこの懇談会に限らず、という話です。(これはまたちゃんと書くか話すかしよう…)

 

 今年の対象学年はおそらく60th~63rdです。私に連絡いただければ、ご依頼のメールを転送いたしますので、興味があるかたはどうぞ。自分はまだ決めてはいませんが、もしお誘いがあれば是非。 

  • 『怜 -Toki-』第11局[陽動]

 ※ネタバレ注意!

 

 

 一般論から入ると、この作品では(作者自身のような)閾値の低い人ではつまづいてしまうかもしれない「性格の悪いキャラクター」を、それでもあえて書き込んだうえで、その解釈を「誤読」のほうに押しつけてしまってなんとか存在させる、というようなことが多々起こっているように思う。たとえば久、成香、チカセンなど。逆にいえば、彼らの「性格の悪さ」を読むことには、つねにコードの侵犯が付随しているということになるのだ。

 今回「凶星」であることが発覚した泉もそういう魅力のあるキャラクターの一人で、これから掘り下げられていく黒歴史と従来の描写とが相乗効果をつぎつぎに起こしていくだろうから、今後の展開が楽しみだ。

 残りのメンバーは、個人的には凶子・星羅説推し。

 

 

 最後に、昨日から再び「客間」が利用可能になったので、ぜひ遊びに来てください。